作・絵/H.A.レイ   訳/光吉夏弥   1954年 アニメ「おさるのジョージ」で有名な海外絵本   おさるのジョージは、動物園の外がどんなか、知りたくてたまりません。ある日、係りのおじさんのカギをぬすんで、逃げ出しました。レストランの調理場でスパゲッティを食べたり、高いビルの窓ふきをしたり……。見るもの、触るものすべてが珍しく、ジョージは次々とハプニングを起こします。器をみると、何が入っているのかな? とフタを開けてみずにはいられない。そんな知りたがりやのジョージと、好奇心いっぱいの我が子の姿が重なってみえるお母さんも多いのではないでしょうか。   文/ジーン・ジオン   絵/マーガレット・ブロイ・グレアム   訳/わたなべしげお   1964年 絵本の中の表情豊かなハリーは日本でも一躍有名に!   ハリーは、黒いぶちのある、白いイヌです。お風呂に入ることが大嫌いでした。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ブラシをくわえて逃げ出しました。工事現場で遊んで泥だらけになったり、石炭トラックで滑り台をしたりするうち、白いぶちのある、黒いイヌに。ハリーは、遊び疲れて家に帰りますが、家族はハリーだと気づいてくれません……。吟味された文章と、表情豊かなイラストが、子どもたちをすーっとお話の世界へ引き込んでくれるでしょう。   絵/マーシャ・ブラウン   訳/せたていじ   1965年 ノルウェーの名作は日本でも愛され続ける   小さなヤギ、中くらいのヤギ、大きなヤギ、どれも名前は「がらがらどん」。三びきは、草を食べに、山へ登って行きました。途中の橋で、谷に住むトロルが現れ、「ひとのみにしてやろう」と立ちはだかります。小さいのと、中くらいのは、あとで大きいのがやってくると言って上手くうまく逃げます。そして、大きいのがトロルと勝負し、やっつけます。お話も言葉も絵もよくできている絵本なので、子どもたちはハラハラドキドキを存分に楽しめますよ。   作/アネット・チゾンとタラス・テイラー   訳/やましたはるお   1972年 大人気「バーバパパ」絵本は子どもから大人まで世界中の人気者   バーバパパは、フランソワの家の庭で生まれました。フランソワとすぐに仲よしになりますが、大きすぎるので、動物園で暮らすことに。ところが、自分の姿を自由に変えられることに気づいたバーバパパは、檻から逃げ出し、動物園を追い出されてしまいます。行くところがなく困り果てたバーバパパは泣き出しますが、火事場にかけつけ、ハシゴに姿を変えて大活躍して、街の人気者に! おっとりしていて、いつもやさしいバーバパパのシリーズは、自由な発想も大きな魅力。この1作目を最初に読むのがおすすめです。   作/モーリス・センダック   訳/じんぐうてるお   1975年 ちょっぴり怖くて迫力のあるかいじゅうに子どもたちは釘づけ!   ある晩、マックスはいたずらをして大あばれ。お母さんは、「このかいじゅう!」と怒って、マックスを寝室に放り込みました。すると、寝室ににょきりにょきりと木が生えはじめ、壁が消えて、森や野原に変身。そこへ、波が打ち寄せ船を運んできます。マックスが、その船で1年と1日航海して着いたところは、怪獣たちのいるところ。そして、怪獣たちは、マックスを怪獣の王様にするのですが……。ちょっと奇妙な絵に大人はためらうかもしれませんが、子どもたちに大人気の絵本です。   絵/バスネツォフ   単純なくり返しと、3つの大きさの対比が楽しい。ロシア独特の色彩の美しい絵が印象的なロングセラー。   絵・文/ピーター・スピアー   訳/松川真弓   「だれもが 思っていることも 食べるものも着るものも なんでも ぜんぶ 同じだったら 死ぬほど たいくつ。 ほらね わたしたち みんながみんな それぞれこんなに ちがっているって すてきでしょ?」 チャンスがあれば、出会った子ども、みんなに紹介したいのは、『せかいのひとびと』。幼児から小学生まで、幅広い年齢で楽しめ、多文化・多様性を自然なこと、として考えるきっかけにもなる科学絵本です。   作/マイケル・グレイニエツ   丸いお顔のお月さまに積み重なる動物。子どもたちの好きな要素にハラハラ感が加わって、大人気の1冊です。   作/マージョリー・フラック   間近で読むより、離れて読み聞かせてもらうほうが楽しい。アンガスがアヒルに追われる場面が大人気!   作/トミー・アンゲラー   リズミカルな文章に黒いシルエットの泥棒が大人気。活劇調の文章は読み方にも反映させて楽しみましょう。   作/ミロスラフ・サセック   旅する絵本作家サセックが、世界の都市を描いた人気絵本シリーズのNY版。世界各地の版があり楽しいですよ。   文/シャーリー ・パレントー   絵/デイヴィッド・ウォーカー   訳/福本友美子   仲間はずれ?「でも大丈夫!」と子どもが安心&満足できる本です。ちいさないすが4つ、だれがすわるの?4匹の小さなくまちゃんがすわりました。でもそこに、もう一匹のくまちゃんが。さぁどうする?話しかけるように読み、言葉が示すものを子どもが絵で確認できるよう、間を十分にとって、次のページに進みましょう。最後は「よかったね」の気持ちでゆっくりと閉じれば、子どもは安心、満足します。   作/レミー・シャーリップ   訳/八木田宜子   何回読んでも子どもたちに喜ばれる絵本があります。『よかったねネッドくん』はその代表! ページごとに「でもたいへん!」「よかったぁ」の奇想天外なくり返しは、まさに人生は山あり谷あり、晴れる日もあれば雨の日もあり。子どもたちは「アリエナイ、アリエナイ」をくり返しながら、身をよじって笑い、喜びます。   文/マイク・サーラー   絵/ジェリー・ジョイナー   訳/岸田衿子   『わゴムはどのくらいのびるかしら?』も子どもたちに喜ばれていた1冊です。サイズは小さいながらも、見返し部分にも子ども部屋の壁紙を模した絵があり、子ども部屋から宇宙まで、ずーっと輪ゴムが伸び続ける、というシーンが子どもたちに大人気。   わが子が好む絵本に出てくるキャラクターと、自分が幼少期に好きだったキャラクターが、似ていたり、似てなかったり。子どもの頃に感じていた絵本のストーリーが、大人になって読んでみたら記憶と全く違ったりすることも!親子で一緒に楽しみながら、これらの名作の絵本を読んでみてください。   本の世界に浸ることは子どもの心の奥行きを広げます。それがママの読み聞かせだったら、子どもは本の世界にぐんぐん引き込まれ、本の中でいろいろな経験を積んでいくことでしょう。「子どもの心をもっと育てたい!」そう思っているけれど何を選んでいいのか迷ったときは、から選んでみてはいかがでしょうか。   毎号100冊の新刊絵本紹介や、年齢対象別おはなし会プログラム、絵本作家のインタビュー、赤ちゃん絵本・のりもの絵本などテーマによる特集など、役立つ多彩な内容を見やすいカラー誌面で構成。家庭での読みきかせはもちろん、学校の朝読の参考にもなる情報が満載。全国各地で読みきかせ活動をされているボランティア、司書、教師の方々に支持されています。   最新号の89号(2023年冬号)の特集は「みんなが笑顔に かがくいひろしの絵本」「冬の絵本」です!   絵本セレクト・文/『この本読んで!』編集部 構成/HugKum編集部