
海外の学校と日本の学校の違いは?世界の教育制度まとめ
日本の教育制度は現在、学習指導要領改訂や大学入試改革の実施など、変革期にあります。
これまでの教育制度を変えようと考えた際、参考として海外の教育制度が取り上げられたり、注目されることがあります。
この記事では、海外の各国の教育制度を地域ごとに表にまとめ、特徴や日本との違いを説明します。
海外と日本の学校の違い、教育制度の違いが理解できる記事になっています。
各国の詳しい教育の特徴・制度を知りたい方はリンク先の記事をご覧ください。
国
学校制度
義務教育期間
学費
スウェーデン
3-3-3-3-3(4)制
7-15歳
無償 ※1
フィンランド
9-3-3制
7-15歳
無償 ※2
オランダ
8-4(~6)-4制
5-18歳
無償
イギリス
6-5-2-3(4)制
原則5-16歳
無償 ※3
※1:基礎学校・高校・大学の授業料は無償
※2:プレスクール~大学院まで
※3:公立学校は無償
ヨーロッパの国のうち、
スウェーデン
フィンランド
オランダ
イギリス
を取り上げ、以下で詳しく説明します。
スウェーデンの学校は基礎学校・高校・大学の授業料が無償です。
奨学金制度など、学生を支援する制度が充実していることが特徴です。
日本では働き始めてからの大学入学は珍しいですが、スウェーデンでは就職後に大学へ入学するケースが多いようです。
スウェーデンでは高校や大学の入学試験はなく、学校の成績によって合否が決定します。
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フィンランドの教育の大きな特徴は、プレスクールから大学院まで学費がかからないことです。
学費のほか、給食費や文房具代等も支給されます。
日本のように全国的に行われるテストがなく、学生同士での競争が少ないと言われています。
また、日本では2020年度から小学校で必修化されるプログラミング科目を、フィンランドでは2016年より全科目で横断的に導入しています。
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オランダでは、義務教育課程において、公立・私立ともに無償です。
子ども1人ひとりの能力や資質、本人の希望によって様々な学業選択ができます。
例えば、どの科目をどの曜日に勉強するかを、子どもたちが自分で決めます。学習内容も自分の興味や理解の度合いに合わせて学びます。
子どもの共生心を養う「イエナプラン」がオランダでは盛んです。
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イギリスでは、イングランド・ウェールズ・北アイルランド・スコットランドの4地域で異なる教育制度がとられています。
イギリスの義務教育は日本と異なり異なり、学校機関に就学させる義務はありません。
そのため、ホームスクーリングで勉強している学生がいます。
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国名
学校制度
義務教育期間
学費
アメリカ(メリーランド州)
学区により異なる
6-16歳
無償 ※1
カナダ(ケベック州)
6-5-2-3制
6-17歳
無償 ※2
※1:義務教育期間は原則無料
※2:義務教育期間の公立学校の学費は無料
北米の国として、
アメリカ
カナダ
を取り上げ、以下で詳しく解説します。
アメリカの教育は、各州の裁量によって制度が異なり多様です。
義務教育の年限や小中高の修業年限、カリキュラム・教科書・休日などを学校区が決めます。
学校区によって教育レベルが異なるため、教育レベルの高さによって住む地域を決める親もいるようです。
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カナダの教育制度は、アメリカ同様に各州の裁量によって制度が異なります。
10の州と3つの準州がそれぞれ裁量を持ち、教育法を定めています。
カナダでは大学入学の際、日本のような試験は行われません。
進路は、学校の定期テストの結果と成績の総合評価で決まります。
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国名
学校制度
義務教育期間
学費
オーストラリア
首都特別地域
7-6(4/2)制
Prep及びYear1~10の11年間
公立学校は無償※
北部準州
7-6(3/3)制
南オーストラリア州
8-5(3/2)制
ニュージーランド
6-2-5-3制
6歳の誕生日-16歳の誕生日
有償
※一時滞在者、および私立学校の場合は授業料を支払います。
オセアニアの国のうち、
オーストラリア
ニュージーランド
の2か国を取り上げ、以下で説明します。
オーストラリアの教育制度は州ごとに異なり、基本的に教育に関して全て州に裁量が与えられています。
オーストラリアでは、義務教育課程から外国語教育が充実しているのが特徴です。
日本語学習者は約36万人おり、特に初等教育と中等教育段階でよく学ばれています。
▶オーストラリアの教育の制度・特徴は?外国語教育”LOTE”や日本との違い
ニュージーランドの教育制度の特徴は、義務教育課程であっても有償であることです。
公立学校は政府援助を受けていますが、学校理事会による独立採算制となっています。
教育内容は各学校の裁量が大きく、統一された教科書などはありません。
多くの学校では先生が作成したプリントで授業を進めているようです。また、Year7~8頃からパソコンを使用した授業を導入する学校が増えているようです。
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国名
学校制度
義務教育期間
学費
中国
6-3-3-4制 ※1
6-15歳
無償化が進められている
韓国
6-3-3-4制
6-15歳
公立は原則無償
シンガポール
6-4(5)-2(3)制
6-12歳
公立は無償
※1:一部地域で5-4-3-4制
中国の教育制度は、日本と同様の6-3-3-4年制が基本です。
中国国内の経済的地域差が大きいことから、修学年限などは地方に裁量が委ねられています。
特に農村部では、予算不足などの理由から小学校を5年制として、これに続く中学校を4年制とする5-4年制の地域もあるようです。
中国は、世界規模で教育水準を測定する調査「PISA」2018年調査で1位を獲得しています。
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韓国は学歴社会として知られる国の1つです。教育課程は日本と同じ6-3-3-4制です。
韓国の大学入試は、戦争といわれるほど過酷なものとなっています。
日本の大学入試試験にあたる韓国の「スヌン」は、毎年11月中旬の木曜日に実施されます。
スヌンは韓国の社会現象となっており、この時期になると日本でもニュースとしてよく取り上げられます。
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シンガポールの教育制度の特徴はストリーミング制です。
ストリーミング制とは、小中学校を卒業する段階で試験を受け、成績に応じて進学するコースを決定する制度です。
小学校卒業時に試験を受け、その成績によって3つのコースに振り分けられます。
このストリーミング制は2024年から4年間、廃止することが決定されています。
▶シンガポールの教育の特徴は?世界1の成績を残してきた”ストリーミング制”と今後の教育方針
この記事では、11か国の教育制度の特徴と日本との違いについて簡単に説明しました。
国と国、国の中の地域と地域等、細かく見ていくと教育課程や学費、さまざまな違いがあることがわかります。
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